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曲が心を刺激する…名案を取り込んだ作品。 現代的な世界が舞台のRPG。 日常的でポップな世界観。 ストーリーは、大まかに言うと「世界(地球)支配を試みる敵(ラスボス)がいて、主人公がそれを阻止する(即ち世界を救う)」という、 “いかにもありきたりで単純”なもの。 その過程での冒険の道中、音を集める。これが本作の特徴。 収集要素が「音」というのは、そうそう思いつくものではない。。 なかなかの良質な案。 長い冒険をして集めた全8つの音を順々に繋げると、ラスボスの苦手な曲になり、その曲を攻撃手段として利用し撃退(=世界救済)できる。 惚れ惚れするような名案。 曲は、冒険途中の各所で集めたもの。 冒険の思い出、冒険の全てを最後に解き放つ感じで、熱くなる。 そこが終わると同時に、その曲が普通に“「エンディングテーマの曲」として完成された形”で流れる展開がまたたまらない。。 しかもその完成形が凄まじく良い。 その曲が苦手な理由は、おそらく、人(義理MOTHER)への感謝を思い出してしまい、世界支配(即ち人殺し)をためらってしまうから。 その気持ちを抑えてまでして世界支配を成し遂げようとする理由は(確か)不明。 この曲、聞いたら感謝などの裏話がなくても優しい気持ちになり、悪意、失する。 また世界観に反し、所々で怖い場面もある。 最も怖いのは、ラスボス戦。 宇宙人の未知なる雰囲気、不気味な雰囲気、闇に満ちた雰囲気にかなりドキドキさせられる。。 年齢が低い場合、忘れようにも忘れられなくなりそうなもの。 これにより、その後の展開も引き立てられる。 緊迫感の創出も、なかなか。 これでも、後作と比べると、全体的に怖さのランクは高くない。 音を活用して形作ったストーリーであることとそれとは関係がないとも思えるが、全体的に「BGM」にも力を入れている模様。 ハードのスペック上、ピコピコ音なので、基本、その良さはわかりにくい。 ただ、歌入り生演奏の壮大な公式サントラが出ているところを見たり、次世代ハード(後作)での高音質化されたアレンジを聴いてみると、 BGMに力を入れていたんだということをつくづく実感する。 BGMに関しては「“名曲の素”で溢れている」。 個人的には、そう感じる。 その表現がしっくりくる。 ボリュームは、FCながらかなりある。 難易度も高い。 行き詰まりそうになったことが何度もあった。 それだけに、突破できた時の達成感が大きい。 後作をやり慣れていると、若干戸惑う。 特に戦闘。 瞬時にダメージを受けたり、瞬殺されることに違和感。 初回作とあり、いろいろシンプル。 よくよく思ってみると、タイトルが謎だと感じる。 MOTHER(誰かの母親)は出てくる。どのRPGもそれが出てくることくらい当然。 タイトルにするほどゲームの中核的な重要な存在ではないように思う。。 後作のタイトルも同じなので、MOTHER=マリアを特定して差すわけではないものとも認識できる。 よくわからない。 あと「後作をプレイしたことがあっても、本作はプレイしていない」 という人が多いように見受けられるが、気のせいか?(筆者もずっとそうだった) 後作こそが名作だからか?時代の違いか? 似通った後作が出たことでこちらをそちらに上書きし、 本作はなかったことのように見る人が多くなったか?(実際それほどまで似てもいない) 後作を先にプレイしていた←場合、逐一「BGM」に驚かされる。。 それが最も高揚させられ印象に残るポイント。 どう驚くのかというと、「その曲に原曲があったのか!」 「それはもともとその場面で使用されている曲だったのか!」と。(ほとんど後作でも流用されている) そこが面白いので、後作しかプレイしていない人にも、おすすめ。 後作とは違い「音を集めることにれっきとした目的がある」ことも面白い。 またラスボスがかなり気になる。何せ凄まじいものであった後作のラスボスと同名。 いろいろ考えが湧き出ていろいろな想いが飛び交う。 最後の方で後作のようなゾッとする演出、グッとくる演出があるのかどうかなども気になり、 そのところを知ることを目指して進んでいく感じもたまらない。 全体的に後作とベースが似ているので、ありそうにも思える。 本格的なRPG作品ではあるが、後作と比べると、いろいろ劣っているので(当然といえばそうだが)、多少期待外れ感もあるかもしれない。 本作は「名作を生むための土台を築いた作品」とも見てとれる。 ちなみに、筆者は1度しかプレイしていないので、覚えていないことも多い。 もう1度プレイしたら、ほかにもいろいろと書きたいことが出てくるものと思う。 |
極上の恐怖と極上の感動を詰め込んだ大作。 現代的な世界が舞台のRPG。 日常的でポップな世界観。 ストーリーは、大まかに言うと「世界支配を試みる敵(ラスボス)がいて、主人公がそれを阻止する(即ち世界を救う)」という、 “いかにもありきたりで単純”なもの。 ボスのいるダンジョン8つをクリアすると、ラスボス。これもありきたり。 それぞれ、クリアした先には主人公のパワースポットがあり、そこでクリアの証として音を入手できる。この「音」というのが特徴的。(音が収集要素) 「ダンジョンクリア=ボス撃破=パワースポット訪問=音入手」ということになる。 ↑4通りの表現がある。表現にどれを使用するか迷う。。 全て「=」なので全て8つ。 8つの音を入手(←それにした)しきると、(ラスボスに対抗できるかもしれないほどの)強大な能力を得られ、ラスボスに挑める。 強大な能力が得られる直前には、自身の精神世界で心の闇を撃退することを強制される最後の試練がある。 「ボスのいるダンジョン8つをクリア」というゲームとして都合のいいことをやることに、そういう理由付けがなされている形。 理由付けといっても… 主人公(一個人)のパワースポットが世界に点在している理由、そこで音が聞こえ映像が見える理由、訪問しきると精神世界に飛ぶ理由、 強大な能力が得られる理由、加えてラスボスが「過去」に潜む理由、ラスボスの詳細など大事なところがよくわからないことばかり。。 しかし、それでも感動する。それがこのゲーム。 「想像に委ねさせるため」にそうしたのか、全て「ゲームに面白みを持たせるためのもの」でそんな意図もないのか、何なのか? 深いイメージは考えられているのかいないのか? 前者なら、考えられている“可能性”がある。 その辺のことの詳細を知りたくてしかたがない。 感動、高揚し非常に良いのは、具体的に言うと終盤「8つの音入手後」から。 そこからエンディング(マジカント~エンディング)までの流れが特に良い。 音と赤子のころの記憶を集め、最終的に全部が繋がって1つの曲と映像になる演出… 自身の心の闇に打ち勝ち、パワーアップする演出… 我が身を人間ではなくした上で誰もいない大昔の時代へ行き(現代へ戻る手段なし)、 そしてそこでこの上ないほど恐ろしい強敵と戦う展開… 長い冒険の中での「出会い」を力にする素晴らしい最終戦闘… 冒険の中で集め続けた音でてきた曲の完全形が流れる思い出に満ちた完璧なエンディング… 上記の通り、よくわからないこともあるわけだが、ともかく良い。 世界観に反し、所々で怖い場面(要素)もある。 そういった要素がまた魅力を引き立てている。 最も怖いのは、ラスボス戦。 何気にほかに見たこともないほどのホラー…。だがそれが良い。 刺激強すぎなため、許されなさそうな程なレベルだが…このままで採用してくれて本当良かったと思う。 名作に怖い要素は必須。 怖ければ怖いほど緊迫感、ドキドキ感が増し、良い… そこを乗り切った時、その分得られるものも大きい… 恐怖は感動を引き立てる… そして印象付ける… どん底が、恐怖が、苦しみ、悲しみがなければ有頂天も、感動も、幸せも、喜びもない…。 ピンチから解放され、喜びへ変わる際の心の優越感の「上昇度合い」が極限近くに達する。 普段の状態から上限までいってもその上昇度合いは極限の半分。 低い場所(怖い緊迫場面)から高い場所(喜びの場面感動場面)へと大きく上昇する(上昇度合いが大きい)ことが肝。 人を惹き入れ、魅了させる秘訣。 本作にはその度合いが極限近い演出があるから素晴らしい。 中盤最大の見せ場はネオン街のパラレルワールド。 これでもかというほどの美しさ、不思議さ、不気味さ、おかしさ、怖さ… 何度やっても超絶に高揚させられる。 何度夢に出てきたことか。 冒険の途中にも、怖かったりでかなり印象的な場面がいくつもある。 「今」やってみると感覚が大きく変わっていて、格段と面白く感じ、楽しめる(ものと思われる)。 細部までわかるし、目のつけ方も変わった。的確な考察力も得た。 全て良い意味で変わっている。 しかしだからといって、やることはそうそうない。 自分の分身が無数にいたり時間を止められたりでもしたら、やる気になるのだが。。 ここまでストーリーに関して長々と語っていたが、このゲームの最大の魅力はというと、BGM。 どのBGMも「単なるBGM」ではなく、「曲」で、しかも名曲という感じ。 何も意識せずに聞いていた幼いころから良いと感じていたので…本物だ。 胸に響き、どうしようもないような心境にさせられていたもの。 当時は良いBGMの場にいると、「長く聴きたい+周りの人に聴いてほしい願望」が満ち溢れ、そこにとどまっていてほしい感が常にある状態であった。 …あのころが懐かしい。 聴いてほしかったのはこのゲーム、いやゲームというものが魅力的だということを聴いただけでわかってもらえそうな気がしていたから。 聴覚だけで魅力を感じとることもできる。 BGMが聞こえる場に誰かがいると、鼻高々な感じがしていたもの。密かに。 …そのBGMに反応する人はあまりいなかったが。 このゲームを幼いころに知ることができて光栄。本当にそう思える。 魅了されるものがあった… 魅力はBGM、怖さ、感動、世界観。 アイテム、敵、台詞も様々でまずまず魅力的。 見るからに凄いと思える街… 名アイディア… 戦闘システムも良い。面白い。 いろいろと自分自身の心中に良い影響をもたらしたゲーム。自分の考える理想形に近い。 そんなこのゲーム、どこがどう良いのかというと、答えは↑ 世間的にも凄まじく評価されている作品。 この作品に(良い意味で)心を刺激させられた人の数は計り知れない。 (この作品に限った話ではないが)こういった作品が世に出回り、国中の人を魅了させると、その作者は、たまらなく鼻高々な気持ちであることだろう。 その気持ち、体感してみたいもの。。(筆者はいつか身を持って体感できる日が来ることを夢見ている) ところで本作はMOTHERの2作目。 2のナンバリングがついているが、イントネーションが特殊だったり(なぜかほとんど皆MOTHERと2を繋げてMOTHERTWOのように発音している) 前作の影が薄かったり海外では前作なしだったりで、2感?が薄い。 しかし前作をベースとしている部分や前作の要素を流用しているものは数多く、本作にとって前作の存在は非常に大きい。 本作は「前作をパワーアップさせることで生まれた名作」という感じ。 最大の魅力であるBGMも前作のものを流用している。 それもいくつ?などという次元ではなく、何気に前作のほとんどのBGMを流用している。 ならほとんどが前作のBGMかというと、そうでもない。 曲数がこちらの方が圧倒的に多いため、それでもオリジナルの方が多い。 とはいえ、前作の流用が多いことは確か。 BGMが良かったのは前作…かというと、微妙。 前作の紹介文の中で言った通り、FCである前作のBGMは「名曲の素」といった感じ。 SFCで再現された本作のBGMは、前作のそれとは格が違う。 良質なアレンジも施されている。 本作で再現したことにより、本作にて真の名曲になった感がある。 「前作のBGMを真の名曲にした」という意味でも本作は偉大。 FCのかなり厳しい制限下で作曲した曲の数々を、制限が緩和された中でより壮大にして流用でき、 作曲者は作曲したかいを感じられたのではないだろうか? ちなみに発売当時は、本作が個人的ゲームランキングトップ3に入るほどの作品(即ち超々傑作)とは思っていなかった。 (同じくトップ3に入るスーパードンキーコングはゲーム画面を初めて見た瞬間からトップ) 何気なく良作だと思っていたくらい。 ある程度成長後、最初から最後まで自らプレイしてみて、その時にたまらなく良い作品だとわかった。 発売当時(幼いころ)は自らプレイしていなかった上、ほぼセリフを読んでいなかったので、それはそう。それで本当の良さがわかるはずがない。。 きっかけは、自ら次々ゲームをプレイしていく中で、ゲーム音楽が熱烈に好きになったことによる。 昔見ていた多くのゲームの中で、「1番BGMが良かった」と童心で感じていたゲームがこれ。 このゲームのあのBGMやあのBGMを改めて今また聞いてみたくてしかたがない衝動に駆られ、BGMを聞くことを1番の目的で自らプレイし始めた。 そうしたら、自分で操作して進めていることに感動、昔自分が見ている中でプレイしていた人達よりも自分が上手いことに感動、 BGMに感動、ストーリーに感動、懐かしさに激感動。 そして本作の虜に。 トップ3に。 …というわけだ。 |