◎ 【第六部:暗黒宇宙】 ◎

とげタル達はトンネルを抜けた。 しかし、とげタル達はそのとてつもない恐ろしさに意識を失いそうになった。 悲しそうな赤い顔で埋め尽くされた空間に巨大な脳味噌、血まみれな腕、無数の死体、 人骨、目玉の塊、血を吐いた人などが浮かんでいるのだ。 更に生き物の哀れな悲鳴が聞こえ、とてつもない悪臭も漂っている。 とげタル『・・・・・・』 ハニアド『・・・・・・』 とげタル『や゛っや゛っや゛っや゛っや゛っ…』 ハニアド『こっ…これは…さすがに…やばい…な…。』 とげタル『びぎがえ゛ぜっ! ばや゛ぐっ!』 ハニアド『・・・』 とげタル『ど~じだっ!』 ハニアド『・・・』 とげタル『な゛に゛や゛っでん゛だっ!』 ハニアド『……っだめだ…燃料が…尽きた…みたい…だ…。』 とげタル『・・・・・・』 UFOは電源が切れ、操縦不能となった。 ハニアド『んんな! なんでこんなタイミングゥ!』 とげタル『・・・・・・』 気付くとUFOは一際引力の強い「死の惑星」に墜落していた。 … ハニアド『な…なんとか助かったな…。』 とげタル『・・・・・・』 ハニアド『おい、生きてるか?』 とげタル『・・・・・・』 ハニアド『生きてんのになに黙ってんだよ!』 とげタル『はっへっほっひっふっふ ハニアド『何おかしくなってんだよ。』 とげタル『へっへっほ? ハニアド『何か言えよっ!』 とげタル『へっ…き、気分が…。』 ハニアド『俺だって気持ち悪ぃに決まってる。』 とげタル『ここここここまでだっだか…ぁ。』 ハニアド『何言ってんだ!       こここは死の惑星かもしれない。       大惑星とか言ってたからからな。』 とげタル『死の惑星だったとしたっ ハニアド『とにかく! あの崖の向こうの怪しげなとこまで行くぞ!』 とげタル『むっ無理だ~あ。』 ハニアド『バカやろーっ! ここで諦めんのかっ! ここで死にたいのかっ!!』 とげタル『あぁ、あきらめね~よ、死なね~よ、何が光ってんだろ。』 ハニアド『行くぞっ!』 とげタル達は怪しげな場所へと向かって歩き出した。 とげタル『の、のーみそ!』 ハニアド『メダマ多すぎ!』 とげタル『や、やめろ!』 ハニアド『だ・誰の血液…?』 とげタル『何だよこのホネ?』 ハニアド『なにすんだ!』 とげタル『何で死んでんだ!』 ハニアド『どこにいんだ!』 とげタル『もう…だめだ…。』 ハニアド『も、もう少しだ…。』 とげタル達はやっとの思いで崖を登りきり、怪しげな場所までたどり着いた。 その瞬間、とげタル達は我に帰った。 崖の向こうはこちら側の地獄の世界とは正反対。 緑豊かで色とりどりの花々が咲き誇っているではないか。 まるで天国のよう。 とげタル『あ…明るい…。』 ハニアド『こ、こんな場所がこの…星に…。』 その光景にすっかり癒されたとげタル達はゆっくりと崖を下りた。 とげタル『光はあそこから出てるんだ!』 ハニアド『もしや…あそこ…とにかくもっと近くに行ってみよう!』 とげタル達は光の目の前に来た。 ハニアド『ここは…四次元空間?』 とげタル『やっぱ死の惑星だったのか?』 ハニアド『よし、飛び込むぞ!』 とげタル達は光に飛び込んだ。 すると不思議な空間に出た。 とげタル『ここは…一体…?』 ハニアド『おそらく四次元空間だ。       よくこれたもんだ…。』 とげタル達は進んでいくと四次元空間を抜けた。 とげタル『抜けた…ということはここは未来?』 ハニアド『いや…そこにあった樹木がまだあんな小さい…ここは過去だ。』 とげタル『それにしても空が明るいな。』 ハニアド『確かに。ちょっと様子を見にいってみるか。』 とげタル達は崖を登りあたりを見渡した。』 とげタル『ハァ!』 ハニアド『そんな。』 そこには薄桃色のバックに色とりどりの惑星があり、とても華やかな空間が広がっていた。 ハニアド『昔…こんなだったなんて…。       とりあえず過去に用はないんだ…戻るぞ!』 とげタル達は四次元空間に戻った。 その後、四次元空間を抜ける度に250年前、200年前、100年前と現代に近づいていき、それにつれて次第に地獄になっていく…。 ハニアド『ん~どうやらこの宇宙は、終わりなき戦争により人々の怒り、憎しみ、       悲しみなどがそのものとなってしまったかのように思えるな。』 とげタル『しかし、いつになったら未来に行けるんだ?』 ハニアド『もうすぐじゃないか?』 6度目に四次元空間を抜けると100年後の未来に来ることができた。 とげタル『ここは?』 ハニアド『過去じゃないぞ。自然が育ってる。』 とげタル『ついに未来に来れたか!       …それで…どうやって…』 ハニアド『まあ…とりあえずUFOのとこに行ってみよう。』 とげタル『…でも…墜落のショックでUFOはブッ壊れたよな…。』 ハニアド『……。』 とげタル達は乗ってきたUFOのところに向かった。 ハニアド『やっぱ現在よりも荒れてるな…。       空とかビリビリ来てるし…悪臭とかもより一層増してる気がする…。』 とげタル『最終的にこの宇宙はどうなっちゃうんだろ?』 ハニアド『ん~…』 そしてようやくUFO墜落現場に到着。 ハニアド『わずかに…名残りが…。』 とげタル『壊れてんじゃどーしょもないじゃんなんで来たんだよ。』 ハニアド『ん~…』 とげタル『…いや! そおいやさっきお前、この宇宙は、終わらない戦争によって       人々の怒りや憎しみとか哀愁がそのものとなったと推測できるぜ! とかなんとか言ってたよな…。』 ハニアド『!!       ちょっ…俺さっき言ったのと違うがそうか!       この宇宙全体で戦争してたなら宇宙移動できるマシーンが埋もれてるかもしれないよな!』 とげタル『あ! なるこど。』 ハニアド『とりあえず探してみよう。』 とげタル達は宇宙移動マシーンを探し始めた。 とげタル『あれは?』 ハニアド『血管の塊だろ。』 とげタル『あれは?』 ハニアド『髪の毛の森。』 とげタル『あれは?』 ハニアド『肋骨のトンネル。』 とげタル『あれは?』 ハニアド『ドロドロの血液…てか機械を探せよ。』 とげタル『じゃ~あれは?』 ハニアド『なんかの死体…ってぇ…。       …       んん?』 とげタル『ん?』 ハニアドは何かを拾った。 ハニアド『これは…明らかに人工物だな…。』 とげタル『なんだ、こんなんどうにもなんないじゃん!       もっとデッカいのないの?』 ハニアド『ん~…』 …数時間後。 ハニアド『おい、あれを見ろ。』 とげタル『あ゛あ!       ぜ、全部繋がってるのか…。       人工物っぽいな…戦車?』 ハニアド『いや、飛べるかもしれないぞ!       掘り起こそう!』 とげタル達はそれを掘り起こし始めた。 とげタル『なんか凄そうだな…。』 ハニアド『こ、これは…。』 数時間後…ついに地面から完全に抜き出した。 とげタル『これでい~か…。』 ハニアド『よし…い~だろ…。』 とげタル『ぃやぁっっと終わったぜ…。       …       しかし凄い迫力だ…飛べるのか…。』 ハニアド『今調べてみる。』 ハニアドはそれの中に入った。 ハニアドは色々いじっているとエンジンがかかった。 とげタル『ぅ゛え!』 ハニアド『ん~…』 周辺の砂を吹き荒らすも動き出さない。 ハニアドは中から出てきた。 ハニアド『ん~…うごか…ない…。』 とげタル『動かないって…動きそうじゃんか!』 ハニアド『動かないものは動かないんだっ!       きっと古くてもう…だめ…なんだ…。』 とげタル『そぉんなっ! せっかくここまでしたのにっ!』 ハニアド『しょうがないだろ! また他を探そう…。』 とげタル『なんとかなんないのか!』 ハニアド『とげタルっ!!』 とげタル『!!       …       わかったよ…探すよ…他を…。』 ハニアド『怒鳴ってる場合じゃないからな!』 とげタル達は宇宙移動マシーンを探し続けた。 … …何時間経っただろうか…。 いくら探しても思いどおりのマシーンなど見つからず、 とげタル達はこの空間の悪臭や悲しい叫びにもう耐えきれなくなっていた…。 ハニアド『もう…限界だ…。』 とげタル『普通の体だったらとっくに死んでるぜ…。』 ハニアド『今更すぎ…ここに酸素があるかもわからんぞ…。』 とげタル『…。』 ハニアド『諦める…な…。』 とげタル『…。』 ハニアド『…。』 とげタル達の意識はもうろうとし始めていた…。 そんななか…。 ハニアド『…。』 とげタル『…。』 ハニアド『…       そうだ…。       …お前はそこで待っててもいいぜ…。』 とげタル『…。』 ハニアドは最後の力を振り絞り、どこかへ向かって行った。 … ハニアドが立ち去って数十分…とげタルは意識を取り戻した。 とげタル『ね…眠ってたのか…ち…地球じゃないんだ…普通の人間の体じゃないんだ…。       …       ハニアドは?』 とげタルはハニアドを探しに行った。 案外すぐにハニアドを発見した。 あそこはUFOが墜落した現場だ。 ハニアドは壊れたUFOを組み立てていた。 とげタル『ハニアド!』 ハニアド『お、お前生きてたのか…。』 とげタル『な、何してんだ…?』 ハニアド『見ればわかるだろ!       UFOを直してんだよ!』 とげタル『ね、燃料は…。』 ハニアド『あの古びたマシーンに燃料が残ってたんだ。』 とげタル『じゃ…じゃあ動くようになるんだなっ!』 ハニアド『…いや…この燃料が…合うかどうかは…わからない…。』 とげタル『なんだ…。』 ハニアド『でも可能性はあるんだぞ!       俺達のメカ体力もついにもう限界だ!       もうこの可能性を信じるしかないんだ!』 とげタル『そ、そうだな。』 数十分後…ようやくUFOは元の形に戻った。 ハニアド『よし! 燃料を入れるぞ!』 ハニアドは空っぽの燃料タンクに古びたマシーンの燃料を注入した。 とげタル『どうなんだ…。』 ハニアド『まだ分かるかっ!       よし、起動させてみよう!』 とげタル達はUFOに乗り込んだ。 ハニアド『よし…電源スイッチを押すぞ…………       お…       ぉ…』 とげタル『早く押せよ。』 ハニアド『ぅわかった… ふーぅ よ~っ』 とげタル『俺が押す。』 ハニアド『あ、待て!』 とげタルはハニアドを押し倒し、電源スイッチを押した。 … …すると一斉に明かりが点灯した! ハニアド『ぅうをぉっしゃあぁぁぁぁぁ~~~あ!!!』 とげタル『…よ…よ…かっ…た…。』 ハニアド『もおぉう大丈夫だ!       こんなとこから早く脱出するぞ!』 ハニアドはUFOを発進させた。 UFOは軽やかに飛び立った。 とげタル『一時はどうなるかと思ったぜ…。』 ハニアド『ひやひやさせやがるなまったく!』 とげタル『無事帰れてほんっと良かった…。』 ハニアド『帰れるかはまだわからんけどな…。』 とげタル『そ、そぉだった…。』 … ハニアド『…タイムスリップしてた時のことだけど…』 とげタル『ん?』 ハニアド『あれってまるでかつての暗黒宇宙人が暗黒宇宙の成り立ちを教えてくれたかのようだよな…。』 とげタル『そうか?』 ハニアド『だってあんな都合よくタイムスリップするか…?』 とげタル『言われてみれば…。』 ハニアド『言われてみればって…よぉくそ~感じないな…。』 とげタル『もしそうなら何のためにそんなこと…。』 ハニアド『だからそのような過ちを犯してはならぬと我々に伝えようとしたとか…。』 とげタル『ん~鳥肌ものだな…。       …       …でも暗黒宇宙の成り立ちが分からなければ俺達助かってないんだよな…。』 ハニアド『…そうか。』 とげタル『だからかつての暗黒宇宙人は俺達を助けようとして教えてくれたとも思えないか。』 ハニアド『あ~そうとも思える…な…       お前らしからない発想だ。』 とげタル『なんでっ…。』 ハニアド『ん~…奥深い…       …       お! トンネルが見えてきたぞ!』
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