★ 夜の街 ★
……………
アマノ『今日も帰ってきた!』
家の最寄り駅に到着。
駅を出た。
今は夕時。
良いムードが漂っている…。
駅前の古い商店街を抜け、帰宅。
…
いつも通り、いつもの職場から帰ってきた。
これが日常。
次の日も、その次の日も、同じ…
暑い日も、寒い日も、雨の日も、あの頃も…
この道を歩いてきた。
…
ある日。
初めての飲み会があり、帰りが遅くなった。
こんなに遅くなったのは初めて。
なんとか終電に間に合い、電車に乗った。
…
zZzZ…
…
ようやく最寄り駅に到着。
アマノ『着いた。。
…危ない。』
下車した。
…
改札を出て、駅を出た。
…
アマノ『思ったよりも明るいな…』
駅前にある店はまだ所々、開いている…
アマノ『駅前とは言えよ、夜中は全部店が閉まって、真っ暗になるのかと思ってた。』
商店街の道を歩いていく…
アマノ『やっぱり、明るい。
深夜も7,8時頃とたいして変わらないんだな…』
看板の電気が消えていない店が思ったよりも多い。
アマノ『営業してるのか?』
裏道沿いの店も開いている…
アマノ『ここの脇道も明るい…
ここの路地も…
…
?
…
!
ここの道なんか、特に凄いな…
もはや何か、、昼間以上に活気に満ちている…
…
こんな歓楽街が、地元にあったなんて…』
何か、不思議な気分になってきていた…
アマノ『この時間になると、ずいぶん雰囲気が変わるんだな…』
高揚してきていた…
アマノ『星の酒場…
こんな店、あったか…?』
…
大通りに出た。
アマノ『…
…
!!
え!!
…
ここ…
ここ、どこ?
ここが、いつもの、あの道?』
そこは、ネオンキラめく一大歓楽街…
アマノ『…嘘…
嘘だ…
…
この商店街に、こんな一面があったなんて…
知らなかった。
思えば、この時間に外を出歩いたことはなかったな…
まさか!こんなだったなんて…
…
スタースタジオ?ムーンナイトホテル?
…銀河レストラン?
…
知らないぞ!そんな店。
どうなってるんだ…
…
ここは…いつもの本屋。
!本屋じゃ、ない。
宇宙カフェ 本店?
夜になると、こ、こんなふうに改装するのか。。』
…
変貌しすぎていて帰り道がよくわからない…
アマノ『こっちでいいのか?』
道路を渡り、向かい側の路地に入った。
…
胸騒ぎが止まない…
アマノ『え?
あ…
…ここだ。
いいんだ。』
…
なんとか近所まで来れた…
アマノ『!ここのクリーニング屋までも別の店に変わってる…
クリーン惑星推進所??
…建物の形まで変わっているような気がした…』
アマノ『そ、そんなはずはない…
いくらなんでも、そんなはずはない…
気のせいだ…
そうに決まってる…
…
うちは?
…うちだ。
ある。良かった…
…』
門を開け、自宅へと入る…
アマノ『…
?
何か…
おかしい…
何か、違う気がする…』
通行人『お前、ラブホテルに住んでるのか?
アマノ『?
うちはラブホテルなんかじゃない…』
通行人『ハハハハッ!
アマノ『?
!!!
え…』
よく見ると、家の外観が…
何か違う。
アマノ『…こんなに奥行き、あったっけ?
ない。ない。』
また改めてよく見てみた。
アマノ『・・・・
お城だ。』
てっぺんには「ラブホテル ロマンススター天野」と書かれた看板が…
アマノの自宅は巨大なラブホテルになっていた。。
アマノ『本当に、ラブホテル・・・』
・・うちじゃない、うちはこんなじゃない!
違う、違う!』
店員『ロマンススター天野へようこそ。』
アマノ『違う!
…帰りたい!
帰れない!』
店員『ロマンススター天野へようこそ。』
アマノ『帰る場所がない!
戻りたい!
戻れない!』
店員『ロ゙マ゙ン゙ズズダー天゙野゙べよ゙ゔごぞ…』
アマノ『ぁ゙あ゙!!』
アマノは動揺して走り出した!
アマノ『ここここはどこ!?』
通行人『星空町だ。』
アマノ『ぁ、ぁ、ぁ、違う。。
どこなんだ!ここは!』
通行人『星空町三丁目。』
電柱を見ると、星空町3-1-1と書かれていた。
アマノ『は、は、は、知らない!
違う!』
通行人『星空町へようこそ。
よ゙ゔごぞ…』
アマノ『そんな?!
ここは何?!』
店員『ヨ゙ヴゴゾ…』
アマノ『なぜ?
どこへ行けばいい?』
通行人・店員『 ヨ゙ ゴ 』
ヴ ゾ
アマノ『ぇ゙、ぇ゙、ぇ゙、どこへ行けば!?
どうしたら!
どうしたらいい!?
どうすればいい?!
ど、ど、どうなる!?
どうなる?!?!
どうなる?!?!?!?!
ぉ゙わ゙ーーーーー
★ ★ ★ ★ ★
ーーーーー!!!!!』
同僚『!
どうしたんだ?』
アマノ『星空町!ロマンス?スター!
ラブホテル!』
同僚『やっと起きたか。』
気づくとアマノは飲み屋にいた…
アマノ『なんだ……
夢…』
酔って寝ていた模様。
アマノ『……』
同僚『もう終電には間に合わないよ。
私は始発で帰る。』
アマノ『…
こっちもそうするか…
…
あんなこと、あるわけないよな…』
同僚『?』
アマノ『いや…』
…明け方…
アマノは帰宅した。
………
最寄り駅に到着。
心して駅を出た。
商店街は…
真っ暗だ。
住民も、街も、まだ眠っている。
アマノ『こんな静かな駅前、見たことながかったかもしれない…
さっきとは真逆だ…』
…
大通りを渡り、近所まで来た。
アマノ『クリーニング屋のままだ…
…
うちだ。
うちのまま。当然か。』
……
朝帰りになってしまったが無事、自宅に帰ってこれた。
アマノ『もう朝方…
あの時間、街はどんななのか…?
まさか、まさかね。
…
夢は、夢のままにしておきたい。
だから…気になるが、あえてあの時間に外出してみたりはしないようにする。
…そうする。』
初めて酔い寝したこの時に見たあの夢…
印象的であった。
あんな不思議なこと…
現実では起こりえない。
あんなこと、ありえない。
ありえないから不思議。
不思議だった……
少し、不気味で怖かったが…
でも何とも言えない不思議な気持ちにさせられた…
不思議な気分にさせられた……
あんな世界へ行ってみたい。
帰れないのはごめんだけどね。
★ THE END ★
深夜の街中へ行ったことはありますか?
不思議なことがあるかもしれませんよ。